ビジネスを生む土壌を育てる
「ビジネス創造研修」という価値

日鉄日立システムエンジニアリング株式会社
人事・総務部長 M氏(写真右)

産業・流通ソリューション第一事業部
帳票ソリューショングループリーダー T氏(写真中)

人事・総務部 A氏(写真左)
日鉄日立システムエンジニアリング株式会社について
日鉄日立システムエンジニアリング株式会社は、1988年に新日本製鐵株式会社(現 新日鐵住金株式会社)と株式会社日立製作所の合弁会社として誕生。システムインテグレーションサービスを通じて企業のビジネスに貢献することを目指しています。現在は、製造、流通、金融、社会公共などの分野で、システム提案から設計、開発、導入まで一貫したサービスを提供。組織の様々な経営課題に対するITソリューションを提案・実現します。
ビジネス創造研修の概要
ミドル層のITエンジニアを対象に自らビジネスを作り出す人材の育成を目的として、2015年度より開催している。毎回10名前後の受講者を対象に、約半年間にわたり全5回(成果報告会含む)の研修を実施している。 研修は約1ヶ月おきに4回実施し、受講者は研修間のインターバル課題で各自が新規ビジネスのプランを練り上げていく。講師は、ベンチャー支援や新規ビジネス立上げの経験豊富なコンサルタントが担当し、理論と実践を交えた講義と演習で研修を進行する。ビジネスプランは毎回講師がアドバイスを行い、最終的には社長をはじめ役員や一般社員の前で新規ビジネス提案のプレゼンテーションを行う。 研修では、ビジネスのアイデアを出すだけにとどまらず、自社を取り巻くビジネス環境の分析、マーケティング、事業採算シミュレーションなどを行い、自社の事業ドメインを拡張するリアルなビジネスプランを作り上げていく。
変化の早いIT業界において、新しいビジネスを考える人材を育てることは企業にとって重要な課題。
その課題をアイティ・アシストとともに作り上げた研修によって解決しようと取り組みを始めたのが日鉄日立システムエンジニアリング。2015年から導入した「ビジネス創造研修」の狙いと効果を伺いました。
リアルな事例で新しいビジネスを考える「ビジネス創造研修」
統合電子帳票ソリューション「Paples」や、SFA/営業支援システム「LaXiTera」など、企業のさまざまな課題を解決するソリューションを提供する日鉄日立システムエンジニアリング(以下、NHS)。同社が会社の未来を担うミドル層向けに2015年から導入したのが、アイティ・アシストとともに作り上げた「ビジネス創造研修」です。

多くのソリューションを開発・提供し、成長を続ける同社が、なぜ今、ミドル層に向けて新たな研修を導入したのでしょうか? そこには変化の早いIT業界ならではの危機感があったと、研修の導入を担った人事・総務部のM部長は説明します。
刻々と変化する事業環境に対応する
「私たちが担っているIT分野は、事業環境の変化が非常に早い業界です。同時にまだまだ成長の余地も大きいため、刻々と変化する事業環境に対応するには、ミドル層を核とした事業推進が欠かせません。これまでにも、ビジネススクールの講座に社員を派遣したこともありましたが、ミドル層には自社のビジネスや、個々が直面している事業環境など、よりリアルな事例で新しいビジネスを考えてほしいと思い、『ビジネス創造研修』をアイティ・アシストに依頼しました」
人事・総務部長 M氏
「ビジネス創造研修」とは、与えられた仕事を待つのではなく、その名の通り、自らビジネスを作り出す人材を育てることを目的とした研修。アイティ・アシストはNHSと打ち合わせを重ね、自社のビジネス分析から始まり、各種フレームワークの活用方法やビジネスプランの策定方法、そして最後には新しいビジネスプランを役員へプレゼンするという一連の研修コースを開発し、研修実施を担いました。
知識と実践 両方を兼ね備えた講師
第1回目となる2015年の「ビジネス創造研修」は、各製品やプロジェクトのリーダーとして活躍する10名が受講。そのなかの1人、産業・流通ソリューション第一事業部 帳票ソリューショングループリーダーのT氏は、自社製品の開発や事業推進を担うことから、普段から研修カリキュラムに近い業務を担当。それでも、T氏は研修で多くの“気づき”があったと振り返ります。
T氏はビジネスプランとして、市場で空白地帯となっている領域に既存帳票と電子帳票を組み合わせた新しいサービスの企画を提案した。成果発表では二位となったが「現在の業務が一段落したらぜひ取り組みたい」と語る。
「私自身は自社の製品開発に携わっているので、ビジネスフレームワークの活用などは業務でもやっていました。ただ、今回の研修は自由な発想でビジネスプランを作るという大きなテーマ。いざ考え始めると、どうしても今のビジネスを軸に考えてしまうことが多く、考え方が凝り固まっているんだなと感じました。一方で、研修を一緒に受けたほかのメンバーは受託開発業務が中心で、『いかに顧客の要求を満たすシステムを開発するか』に一生懸命ですから、新しいビジネスを考える作業にとても苦労していました。でも、今後は私も含めて、『新しいビジネスをどうやって作るか』を考えていく必要があります。そういう意味でも、今回の研修で“ビジネスを生む”プロセスを模擬的に体験できたことは、非常にいい経験になりました」
実際に、受講者のアンケートでは『仕事をこなしながらの受講は大変だったが、視野が狭くなっている自分に気付いた。』『新ビジネスプランを考える機会がない事業部だったので、考えること自体が新鮮だった。』『自社についても思っていた以上に知らないことが多いことに気がついた。』という趣旨の意見が多く挙がっていました。
アイティ・アシストの「ビジネス創造研修」は、実践的なワークが中心でビジネスの現場に近かった
過去には自費で外部のビジネスセミナーを受講したこともあるというT氏。それらのセミナーは「いい刺激にはなりますが、講義中心で自分に置き換えられるものは多くない」のに対し、アイティ・アシストの「ビジネス創造研修」は、実践的なワークが中心でビジネスの現場に近かったと話します。 「経営管理の視点や、分析方法など、講師が豊富な知識を持っていたのはもちろんですが、なにより実践している方なので、説得力もありましたし、自分に置き換えやすい内容だったのが非常に良かったですね。新しいビジネスを生み出すための知識と実践、その両面を備えている講師による研修だったので、とても満足しています」
T氏同様に、M部長も講師の質と研修カリキュラムを高く評価します。 「『ビジネス創造研修』では、講師が一方的に教えるのではなく、ファシリテーターのような役割を担っています。キャリアを積んだミドル層の場合、一方的に教えるやり方はそぐわないケースが多いのですが、アイティ・アシストが作成した研修カリキュラムは受講者の議論をうまく引き出す内容になっていました」
「いい意味で裏切られた」 受講者の反応
2015年からスタートした「ビジネス創造研修」。これまでに約17名の方が受講し、この研修から実現した取り組みも生まれるなど、M部長はその効果に手応えを感じています。
研修の様子。「役員を前にしたプレゼンがあることで、研修にも力が入った」とT氏
「こうした研修は、すぐに成果がでるものでないことは十分、理解しています。ただ、研修を受けてもらうメンバーには、今の活躍に加えて、もうひとつ目線をあげてもらいたいという思いがある。研修を受けて、『いつもとは頭の違うところを使った』と話してくれる社員もいますし、自分とは別の仕事をしているミドル層と交流して、そのなかで刺激を受けているようなので、手応えは感じています」
一方で、研修導入前には「2つの心配があった」とM部長。1つは、部署やプロジェクトの中心メンバーに研修という負荷をかけることへの不安。もう1つは、受講者全員が研修のゴールに到達できるかという不安でした。「多忙なミドル層向けの研修は、現場への負荷を十分、考慮しないといけない」と前置きしながらも、M部長は研修の成果に「いい意味で裏切られた」と話します。
成長を実感できる研修だったから
「『ビジネス創造研修』を実施して、いい意味で期待を裏切られたのが、受講者全員が“脱落”せずに研修を終えていること。ミドル層はどうしても業務優先になりますから、通常であれば、途中で受講できなくなる人が出ることも少なくありません。とくに今回の研修は1度休んでしまうと気持ちが切れてしまうほど、1回の密度が高く、受講者に課せられる課題もハードなもの。それでも、全員がゴールまで到達できたのは大変でありながらも、成長を実感できる研修だったからだと思います。 もちろん目に見える効果を感じるにはまだ時間がかかりますが、継続していくことで、習慣的に新しいビジネスやアイデアを考えるメンバーが増え、それが次のビジネスにつながっていくと思います」
手厚い運営サポートと柔軟な対応がアイティ・アシストの良さ
人事・総務部 A氏
受講者にとってはハードでありながらも、充実した内容の「ビジネス創造研修」。アイティ・アシストの担当者とさまざまな調整を担ったA氏も、講師の質や密度の濃い内容に加え、受講者全員がゴールに到達するにはスムーズな運営サポートが欠かせなかったと言います。
「研修では講師の方が受講者の課題を添削してくださるのですが、締め切りを調整していただいたり、当初、予定になかった個人面談を追加してくださったりと、受講者の状況や進捗にあわせて柔軟に対応していただいたのも、全員がゴールに到達できた大きな要因だったと思います。
さらにT氏は、今後、受講者が増えていくことで、社内に“ある変化”が起きることを期待しています。
「こういう研修があることで、いろんな部署やグループでアイデアを発信しやすい雰囲気が生まれ、新しいビジネスを創造する土壌ができるのではと思います。受講者のなかには、部署の人に相談する人もいたようで、若手にもいい刺激を与えていたようです」
「ビジネス創造研修」によって、これまで以上に新しいビジネスを生み出す雰囲気が社内に生まれているNHS。2015年から始めた2回のビジネス創造研修を経て、M部長はアイティ・アシストをこう評価します。
「人材育成は、OJTやジョブローテーションなど、業務のなかで人材を育てるのが基本です。ただ、全員に同じ機会を与えられるわけではありませんし、タイミングや業務によって、それができない人もいる。それを補うのが今回のような研修だと思っています。アイティ・アシストには、長年、新人社員研修をお願いしており、当社のビジネスや社風をよく理解していただいていることも今回の研修を依頼した大きな理由です。ただ、これまでの信頼感に加えて、今回は前例のない研修にもかかわらず、柔軟に対応していただいた点もとても助かりました。アイティ・アシストの研修は、講師の方だけでなく、雰囲気作りや議論を活発化させる周りのスタッフのフォローも非常に手厚いので安心です。とくに研修のスタート直後は受講者同士、お互い面識もないので、議論するのも難しい。でも運営スタッフの方が、うまく雰囲気作りをしてくれていました。」
新しいビジネスを生み出すミドル層の活躍によって、NHSから企業の課題を解決する革新的なソリューションが生まれる日も遠くなさそうです。
アイティ・アシストの担当者(関谷)とともに
ビジネス創造研修をきっかけに生まれたCSR活動
現在、NHSがCSR活動の一環として取り組む、子ども向けプログラミングツール「Jammy! Programming.KIDS」は、2015年度年の「ビジネス創造研修」の最優秀賞受賞者であるY氏のビジネスプランから生まれたもの。コマンドをビジュアル化した「カトラリーカード」を使って、プログラミングを学べるため、はじめてのプログラミング学習に最適。科学技術振興機構(JST)が主催するサイエンスアゴラ2016ではワークショップも開催されました。
Jammy! Programming.KIDS 特設ページ