日立グループには昭和34年から続く『総合職研修員論文』という教育制度があります。その事前研修をアイティ・アシストに依頼しました。

株式会社 日立製作所
情報・通信システム社 (取材時 現在はICT事業統括本部)
ITプラットフォーム事業本部
プラットフォーム人事部 人事教育グループ
若林 久人氏
日立製作所 情報・通信システム社 について
日本最大の総合電機メーカー・日立製作所(連結決算約9.8兆円 連結従業員数約33万人※2015年3月期)の売上高の約20%を占める中核事業が、日立製作所 情報・通信システム社。これまで広範な事業で培った技術力・システム構築力を活かして、金融、公共、通信、産業、流通、社会インフラ等幅広い分野のお客様との協創により、高信頼なITプラットフォームや、より付加価値の高いソリューションを数多く提供しています。
研修の概要
  • 目的論文の研究テーマとなる問題のとらえ方から始まり、それを他者にとって分かりやすく、説得力のある論文にする方法、相手に伝わりやすいプレゼンテーションの方法をマスターする。また、世代の離れた2年目社員とそのOJT担当社員が同時に受講することで、両者の関係性の構築とOJT担当社員の指導力向上も図る
  • 対象2年目社員とそのOJT担当社員
    (※以後、2年目社員のことを日立人事用語に準じて「研修員」、OJT担当社員のことを「指導員」と表記)
  • 人数206名(研修員103名、指導員103名)
  • 日数3日間(2ヶ月ごとに)
株式会社日立製作所 情報・通信システム社の若林 久人氏に、株式会社アイティ・アシストに研修を依頼した経緯とその成果について詳しく伺いました。
アイティ・アシストに「総合職研修員論文 事前研修」を依頼
日立製作所 情報・通信システム社では、アイティ・アシストにどのような研修を依頼しましたか?
日立グループには昭和34年から続く「総合職研修員論文」という教育制度があります。日立製作所 情報・通信システム社では、その下準備にあたる「総合職研修員論文 事前研修(※以後、事前研修)」をアイティ・アシストに依頼しました。
では、まず総合職研修員論文について詳しくお聞かせください。
まず言葉の説明になりますが、「総合職研修員」というのは、日立グループの新卒入社2年目までの社員を指します(一部社員を除く)。3年目からは「総合職企画員」と呼ばれるようになります。

総合職研修員論文は、2年目社員を対象とし、今後、企画員として活躍するための業務の遂行能力や知識、スキルを有しているかどうかの確認をすることが目的です。論文発表を終えてから、ようやく一人前の総合職企画員になることができますので、私を含めて日立グループの新卒社員はほぼ全員が経験する教育制度になっています。

総合職研修員論文の内容は、論文執筆とその論文に沿ったプレゼンテーションの二つ。執筆や発表のプロセスを通じて、論理的に物事を考える力や、自分の考えを他者に明確に伝える力を養っていくことが狙いになります。
「総合職研修員論文 事前研修をアイティ・アシストに依頼しました」
研修をアウトソースした背景
事前研修をアウトソースした背景について教えてください。
事前研修は事業所ごとに独自に取りまとめているのですが、2012年の事業所の統合に伴って二つの問題が生じました。

一つ目は大幅に増加した対象者への研修付与という点です。3つの事業所が統合したことで事前研修の対象者が100名近くに増えました。まずはその人数に応えられるかどうかが問題として懸念されました。

そして二つ目の問題は、3事業所が独自にやっていた研修の方向性を統一しなくてはならない点です。統合にあたり、研修員に均質的な知識とスキルの付与をしなくてはならないという課題がありました。

このような課題を解決すべく、事前研修のアウトソース先のベンダーをコンペで探すことになりました。
「大幅に増加した研修対象者を受け入れるキャパシティと、対象者への均質的な知識とスキルの付与が課題でした」と若林氏
アイティ・アシストに依頼した経緯について教えてください。
じつはアイティ・アシストとのお付き合いは2005年前後からになります。3事業所が統合する前から、その1つの事業所の事前研修を依頼していました。その経緯から統合後の事前研修のコンペに出ていただき、その結果、アイティ・アシストさんへ依頼することになり、現在に至ります。
研修の成果について
では、2015年度の事前研修について、工夫した点を教えてください。
2015年度の研修では、2年目社員の研修員と、OJT担当社員にあたる指導員が同時に受講するカリキュラムを作りました。

総合職研修員論文は研修員と指導員がペアとなり、指導員は研修員の論文作成の支援を行います。しかし、例年「お互い忙しくて十分に時間をとって会話ができない」というコミュニケーション面での課題がありました。そこで2015年度は研修員と指導員が一緒に受講する形式として、普段の業務から離れた場所で研修の機会を設けることで、指導員と研修員のコミュニケーションが促進されたという良い結果に結びつけることができました。

また、指導員が一緒に受講することで研修員のレベルを把握できる点にも一役買っています。「彼はこういうところに課題があるから、これからここを伸ばしていかないといけないんだ」と指導員側にとっても教えるポイントが明確になりました。
研修をアウトソースしたことによる成果は?
論文の内容や発表資料についての詳細はお答えすることが難しいのですが、それぞれの研修で良い変化がうまれています。

まず論文については、事前研修で学んだことをきっかけに、研修員の担当業務だけにとどまらずに自分の担当外も話題として触れていたり、また他社と比較した、市場における担当製品の位置づけを明記したりなど、論文を構成する視座を高く持てるようになりました。

それからプレゼンテーションにおいては、分かりやすい構成にもとづいて発表できるようになりました。その理由としては、事前研修でグループを作って発表し、フィードバックをするところまで取り組んでいたことが挙げられると思います。プレゼンを見て、「ここが分かりにくい」、「ここは情報が必要だよね」など、受講生同士がお互いに指摘したうえで本番に挑めている点が良い結果に結びついたのではないかと思います。
2015年度の事前研修では、指導員と研修員の同時受講を計画。「結果的に指導員と研修員のコミュニケ―ションが促進されました」と若林氏
アイティ・アシストへの評価
「アイティ・アシストは論文発表の場にも聴講に来てくださいました。しっかりと現場にも足を運び、事前研修の成果を確認したうえで次年度の計画を考えてくださるのはありがたいですね」
実際に研修をアウトソースして、アイティ・アシストへの評価を教えてください。
我々が評価している点は二つあります。

一つ目は講師の質の高さです。我々の研修の受講者は、ほとんどが設計職種なので、ITの知識や市場の動向、業界に関わる知識が講師の背景にあるかどうかが講義をしていただくうえで一番大事なところだと考えています。

そういった背景があるかないかによって、講義の深みが変わってきます。例えば、講義の中で使う例の出し方や、受講生からの質問への返答などに表れます。受講生にとっては「この人は分かったうえで講義してくれているんだな」と、説得力が増すのではないでしょうか。

また、研修員と指導員あわせて200名程度と大人数なので、同じ研修を3日~4日に分ける必要がありました。その日によって違う講師が来られるのですが、講師による内容のブレやレベルの差はほとんどありません。我々としては全員に均質的な知識・スキルを付与したいので、研修のクオリティレベルが一定であることはありがたいです。
二つ目は、我々の実施している研修をご理解くださったうえで、内容をカスタマイズしてくれているところです。研修をアウトソースする際に、こちらの事情を深く理解せず、すでに形になっている研修を行うケースは少なくないと思います。しかしアイティ・アシストの場合はそのような心配はなく、総合職研修員論文についても深く理解していただき、我々の困っている点にもきちんと耳を傾けて研修に反映していただけました。
今後の期待
アイティ・アシストへの期待をお聞かせください。
今後も総合職研修員論文に要求するものが変わり続けると思います。その理由は、日立グループのお客さまが求めているものが時代とともに変わるからです。求められるものの移り変わりに伴って、我々がすべきことや求める人財像も変化が必要となるでしょう。そこからブレイクダウンしていくと、当然事前研修に求めるものも変わっていくことが考えられます。

アイティ・アシストには今後も我々の課題を“自分ごと”として捉えて、一緒に悩み続けてくれるパートナーでいていただけると大変ありがたいです。
アイティ・アシストの深田(写真右)と一緒に。
「これからも、一緒に悩み続けてくれるパートナーとして」
―お忙しいなか、取材にご協力いただきありがとうございました―
取材日時:2016年2月
※ 文中に記載されている数値など情報は、いずれも取材時点のものです